児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

橋の下の子どもたち ネタばれなし感想

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ナタリー・サベッジ・カールソン作

ガース・ウィリアムズ画

フェリシモ出版

1959年ニューベリー賞オナー賞受賞 f:id:g-mccaghrean:20181205020107j:plain

面白さ ★★★★★ 満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

メッセージ性 ★★★★★ 満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

ほっこり度 ★★★★★ 満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

内容 ノートルダム大聖堂のちかくの橋をねぐらにするアルマンじいさんは、おなじように橋の下にすむことになった3人きょうだいにでくわします。しだいに4人はなかよくなりますが、きょうだいのおかあさんに見つかって…。パリのまちを舞台に、いえのない人びとや、ジプシーたちをやさしく描く、こころあたたまる物語。

 

「こどもか!」アルマンじいさんは顔をしかめました。「ピーチクパーチクやかましムクドリどもめ。いやはや、がまんならん」

するとミレリは、アルマンじいさんの鼻さきで、人さしゆびをふりふり、こういいました。

「いいや、ちがう。あんたはこどもがきらいなんじゃない。こわいんだよ。あんたはあったかい心のもちぬしさ。それに気づいたこどもたちが、あんたの心をぬすみにくるのがこわいのさ」    本文より

 

感想 クリスマスに読みたくなる、心温まるお話(*´∀`*) 。主人公のアルマン爺さんは宿無しだけど、人生を楽しんでいるのが素敵ですね。

テンポがよくて、読みやすく、お話もほのぼのとしたヒューマンドラマなので万人に進められる本です。

 

挿し絵はローラ・インガルス・ワイルダー の『大きな森の小さな家』・『大草原の小さな家』シリーズや、「しろいうさぎとくろいうさぎ」で有名なガース・ウィリアムズで、この本をさらに優しく可愛らしいものにしています(*^^*)。華やかなイメージのパリの街の裏の顔や歴史を見れるのも面白いところです。訳者さんの心づかいで、見返しにパリの絵地図がついているのも、物語をさらに立体的に読めてありがたいですね。

作中にフランスではサンタはロバにのっているとありました。フランスのサンタは、サンタクロースの原型と言われている聖ニコラウスで、乗り物はロバらしいです。そのため、地方によっては、ツリーの下にサンタのためのグラスワインとロバのためのニンジンをおいて置く習慣があるのだとか(・0・ ) ホッホー 。

サンタにもいろいろなスタイルがあるのですね。

 

橋の下のこどもたち

橋の下のこどもたち

 
読んでいただき、ありがとうございました!