ジュニア・ブラウンの惑星 ネタばれなし感想
ヴァージニア・ハミルトン作
1972年ニューベリー賞オナー賞受賞
面白さ ★★☆☆☆ 2点
メッセージ性 ★★☆☆☆ 2点
内容 悩みにうちのめされそうになっているジュニア。彼の心を開こうとするタフなバディー。環境も性格もまったく異なる二人の中学生の友情を描く、ニューヨークの青春。
感想 うーん・・・(。-`ω-)、ぶっちゃけ私は、本作のいいところが見つけられませんでした。「大人はわかってくれない」と悲観しているティーンエイジャーとかなら、もしかしたら共感できるかも‥?
難点をあげると、
・妄想や想像を本当に起こっていることのような書き方をするので、読んでいて混乱する。
・ところどころが概念的でわかりづらく、ともすれば読者置いてきぼりという感じ。
・翻訳家の問題なのか、原文の問題なのかわからないけど、文章がおかしい時があります(´ヘ`;)。
・起こる展開や作中の小道具がその後生かされることなく、それだけ(にみえる)
ここから先はネタバレ感想です。
同作者さんの
1975年オナー賞受賞作
こちらは1983年オナー賞
以下、ネタバレ注意、反転
他にもジュニアが、つらい状況にある、ということが作中で示されますが、全くぴんと来ず、バディに比べてはるかに恵まれた暮らしをしているジュニアのどこにしんどさがあるのだろうと思いました。かなり後半になって、母親に絵を捨てられてからようやく、ジュニアのつらい状況とやらが少し納得できましたが。
それにしても後半は無駄に感傷的な感が否めません。中学生男子と中年の男性のお話なので違和感。たびたび泣きそうになるバディに物憂いジュニア・・・。十代の少年ってこんな感じじゃないんじゃないかなあ。バディの環境から考えてももっと尖ってたりするんでは・・。やはり女性作家だからでしょうか。二人の少年の友情ものということになっていますが、いわゆる男同士の友情を期待したら、ちょっと当てが外れる感じだし、バディにもジュニアもなんだか生き生きと描かれていなくて、キャラクターの魅力に欠ける気がします。それゆえ、なぜバディがやたらジュニアにかまうのか、プールさんがやたら二人に肩入れするのかも、よくわからないと思ってしまいます。
また作中でもほんの少し触れている、ベトナム戦争後にアメリカが負ったトラウマの時代という背景は興味深いのですが、それが主人公たちの状況とどう関係するのかもよくわからない。70年代当時のアメリカに生きて、当時の空気を感じられていたら、また違った感想なのかもしれませんが。
ラストのバディの演説?もなんだか押しつけがましさみたいなものを感じて心に響かなかったです(´・ω・`) 。「たがいのために生きる」っていいこと言ってるようですが、何のために生きるかは人に決めてもらうことじゃないじゃん!と思ってしまいました。
愚痴ばかりになってしまってすみません。
ちなみに本作は映画化されていて、YouTubeでは見つかりませんでしたが、「The Planet of Junior Brown」で動画検索すると、見れます。
読んでいただき、ありがとうございました!