エリダー 黄金の国 ネタばれなし感想
アラン・ガーナー 作
龍口直太郎訳
評論社
1965年 カーネギー賞受賞
面白さ ★☆☆☆☆ 1点
メッセージ性 ★☆☆☆☆ 1点
内容 4人の兄弟はふとしたことからエリダーという異世界に迷い込む。そこで出会った奇妙な男にエリダーを滅びから救うため4つの宝を持ち帰るように言われた兄弟。
家に帰った彼らにそれから不思議なことが起こり始め…。
感想 本書を読むには、前知識として「トゥアハ・デ・ダナーンの神話」とあとがきにあるようなユニコーンの生態についての知識がないとわかりづらいのですが、イギリスの子どもならともかく、脚注も無いのは日本の子ども読者に不親切設計。
トゥアハ・デ・ダナーンの神話
ケルト神話ではアイルランドに上陸した4番目の種族で、女神ダヌ(ダーナ)を母神とする神族とされる。(中略)
彼等はアイルランド上陸時、北方四島の四都市、ファリアス(Falias)、フィンジアス(Findias)、ゴリアス(Gorias)、ムリアス(Murias)より四種の神器、またはThe Hallows of Irelandを持ち込んだ。 これは、リア・ファル、ルーの槍、ヌアザの剣、ダグザの大釜の事であるとされる。
ファリアスよりリア・ファル (Liath Fail、運命の石)がもたらされ、ミース州のタラの丘に置かれている、これはアイルランドの王の元で啼くと言う。この都市にはモルフェッサ(Morfessa)という名のドルイドが住んでいる。
ゴリアスよりルーの槍がもたらされた。ゴリアスにはエスラス(Esras)と言う名のドルイドが住んでいる。
出典:wikiの「トゥアハ・デ・ダナーンの神話」
ここからのレビューはかなり辛口です。本作が好きな方はこれ以上、読まないことをお勧めします!
まず、話が急に飛んでわかりづらい。
そして、ファンタジーとしても、冒険としても夢やわくわくが低く、中途半端というか、いつまでたってもわくわくするような展開にならない。これは致命的!
冒頭から、不思議な国へ行くけど、特にミステリアスでもない、テンションの低い中年男性が一人出てくるだけだし。まあこの人、ファンタジー界では有名なあの「大魔法使いマーリン」らしいですけど。
不思議な現象が起きるけど、ポルターガイスト的なだけでファンタジック要素無し。
そのポルターガイストもどきの事件が飽きます。読者としてはとっくにタネを知っていることを妙に、丁寧にじっくり語ってきて、別段面白くもない話を長々されるとしんどいです。
その後も期待したような、魔法とか妖精とかのファンタジー要素はごく控えめ。
行き当たりばったりな主人公たちの行動にイライラ(。-`ω-)。
前後の文章がちぐはぐというか、繋がらなくて違和感を感じること数十回。退屈のあまり思わず、読書中に船を漕ぐこと数回。
起こっている出来事に対する、登場人物の反応の描写がなかったり、あるいは感情移入できないような違和感のある行動取ったりしてるのもかなりのマイナス点。
ラストも、なんだか意味わかりません。なにがいいたかったのε-( ̄ヘ ̄)┌?
同作者、アラン・ガーナーのカーネギー賞受賞作「ふくろう模様の皿」でも訴えた、幾多の置いてきぼり展開
すみません。私には本書の良さが理解できませんでした。
個人的にはイギリス、アイルランドのこてこてのファンタジーを読みたい方は本作より、「ナルニア国シリーズ」や、O.R.メリングの「歌う石」をお勧めします。
以上、愚痴ばかりになってしまってすみません。
読んでいただき、ありがとうございました。