児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

世界一幸せなゴリラ、イバン ネタばれなし感想

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キャサリン・アップルゲイト 作

講談社

 2013年ニューベリー賞受賞 f:id:g-mccaghrean:20190616223033j:plain

面白さ ★★★★☆ 4点

メッセージ性 ★★★☆☆ 3点

 内容 イバンはショッピングモールの小さな動物園に住む陽気なゴリラで、絵を描くことが得意。隣のおりのゾウのステラや、野良犬のボブとは大の仲良しで、モールの職員の娘ジュリアもイバンに紙とクレヨンをくれたりする。絵を描くことが好きなイバンとジュリアは芸術家同士、お互いを理解しあっている。ある日、モールにお客さんをもっと呼ぶために赤ちゃんゾウのルビーが買われてくる。愛らしいルビーが仲間に加わったことで、イバンの人生は大きく変わることに…。

 

感想 非常に個人的な話になりますが、私は動物園や水族館などの動物が見世物にされるあらゆる施設が嫌いです。ああいうところで、生気のない動物たちを見ると悲しくなっちゃうんです。

 

そんなわけで、本作は結構読むのに、躊躇がありました。で、思い切って読んでみたものの案の定、イバンをはじめとする動物たちの、閉じ込められた憂いがつらい・・・・。

さらに、予想通りの虐待的な胸糞展開になり…。いじめられる側のステラは優しいし、ルビーは可愛いので読んでてほんとに嫌で(;´Д`)。

正直言って、この話、主人公とその仲間たちのことが「心配」で続きが気になりはするけど、そこに「わくわく感」はないんですよ(。-`ω-)。ずっと、イバンの一人称で、檻の中で話が展開するし、話もちょっと長くて、もっとテンポよくできるんじゃないかな、と思ったり。

すみません。不満ばかり挙げてしまいました。

ただ、最後まで読むとそれらの難点があったうえで、そんなに悪くない話だったと思えました。

最終的に、このお話嫌いではないです。出てくる動物たちは、主人公のイバンも、犬のボブも、象のステラとルビーもみんなしっかりキャラが立ってて、魅力的、と思えます。

ボブいいやつだー! (つд⊂)エーン

と、いうわけで動物のちょっとかわいそうなシーンがあっても平気!という方なら読まれてみてもいいかと思います。

↓ 翻訳した、岡田良恵さんによる本書を取り上げたホームページ

ivan-news.jimdo.com

びっくりしたけど、これは実在のゴリラをもとにしているんですね。詳しいことが知りたかったけど、ネットでは見つかりませんでした。


Ivan the gorilla lived alone in a shopping mall for over 20 years (The Urban Gorilla)


Meet Ivan - A Gorilla's Story

さらにびっくり、ディズニーでアニメ化されるそうです。Wikiによると、2020年8月14日にリリースされる予定とのこと。日本で公開されるんでしょうか?

curazy.com

世界一幸せなゴリラ、イバン (講談社文学の扉)

世界一幸せなゴリラ、イバン (講談社文学の扉)

 

 

読んでいただき、ありがとうございました!