児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

マイゴーストアンクル ネタばれなし感想 

ヴァージニア・ハミルトン作 島式子訳 原生林 1983年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★☆☆ 3点 メッセージ性 ★★☆☆☆ 2点 内容 1980年代のアメリカ。お母さんと兄のブラザーと3人で暮らす15歳の黒人の少女ツリー。お母さんは仕事で忙しく、ツリーは障害…

アルプスの赤い旗 ネタばれなし感想

ジェイムス・オーマン(アルマン)作 持丸良雄訳 講談社(1958年版) 新訳は「山上にひるがえる旗」 学研(1971年版) ※ともに絶版してます 1955年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 熱血度 ★★★★★ 満点 内容 主人公のル…

海をおそれる少年(世界の名作図書館31)1969年版  ネタばれなし感想

アームストロング・スペリー作 飯島淳秀訳 講談社 ※旧約、新訳(「それを勇気とよぼう」 1974年版 久保田輝男訳で学研から出版)ともに絶版 1941年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 わくわく度 ★★★★★ 満点 内容 マファツ少年の島…

やぎのあたまに―アウシュビッツとある少女の青春 ネタばれなし感想

アランカ・シーガル作 小柴一 訳 草土文化(出版社) 1982年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 内容 ハンガリーのユダヤ人達の、アウシュヴィッツに送られる直前までの迫害と不安の日々を、少女の目を通して綴るノンフィ…

プリンセス・アカデミー ネタばれなし感想

シャノン・ヘイル 作代田亜香子訳 小学館 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 夢がある度 ★★★★★ 満点 2006年ニューベリー賞オナー賞受賞 内容 ミリは、エスケル山の小さな村に住む十四歳の女の子。毎日、父さんと姉のマーダは石切りの仕事にでかけ、ミ…

わたしがいどんだ戦い 1939年 ネタばれなし感想

キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー作 大作道子訳 評論社 2016年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 一九三九年。二度目の世界大戦さなかのロンドン。足の悪いエイダは、けんめいに歩く練習をしていた。歩け…

揚子江の少年 ネタばれなし感想

エリザベス・ルイス作 小出正吾訳 1958年版 講談社 (絶版してます) (※ 本書は、3回翻訳されています。『長江上流の若者』本間立也訳 改造社 1938版/『揚子江の傅さん』小出正吾実業之訳 日本社 1942年版など) 1933年ニューベリー賞受賞 面白さ …

極楽にいった猫 ネタばれなしレビュー

エリザベス・コーツワース作 古屋美登里 訳 清流出版 1931年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 日本を舞台に、涅槃図の作成を依頼された絵師と猫の交流を描く。 感想 戦前のアメリカ人が、日本を舞台に書いた本というのは、…

歌う木 ネタばれなし感想

ケイト・セレディ 作 松本恵子訳 福音館書店(1971年)/偕成社(文庫版 1980年) 1940年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 感動度 ★★★★★ 満点 内容 1936年ニューベリー賞、オナー賞の「すてきなおじさん」の続編。…

魔女ジェニファとわたし ネタばれなし感想

カニグズバーグ作 松永ふみ子 訳 岩波書店 1968年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 ニューヨーク郊外の小学校に転校してきたばかりのエリザベスは,ハロウィーンのおまつりの日に,黒人の少女ジェニファと出会いま…

アベルの島 ネタばれなし感想

ウィリアム・スタイグ作 麻生九美 訳 評論社 1977年 ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 内容 のんきな町ネズミのアベルは、ある日ピクニックにでかけて嵐に出あい、無人島に流される。愛する妻のもとへ帰るという決意を…

ガラスの家族 ネタばれなし感想

キャサリン・パターソン作 岡本浜江 訳 偕成社 1979年 ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 里親の間を転々としてきた11才のギリーは、したたかな少女だった。愛されることのなかった少女が初めて知った家族とは。 感…

きらきら ネタばれなしレビュー

シンシア・カドハタ作 代田亜香子 訳 白水社 2005年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 内容 姉のリンがわたしに最初に教えてくれたことば、それは「きらきら」という日本語。深くてしかも透き通った海や空をあらわすことば。ある…

サム兄さんは死んだ ネタばれなし感想

ジェイムズ・リンカン・コリアー&クリストファー・コリアー作 青木信義 訳 ぬぷん児童図書出版 1975年 ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 読みやすさ ★★★★★ 満点 内容 アメリカ独立戦争でミーカ一家は渦中に入ってしま…

月の光を飲んだ少女 ネタばれなし感想

ケリー・バーンヒル 作 佐藤見果夢 訳 評論社 2017年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★☆☆☆ 2点 メッセージ性 ★☆☆☆☆ 1点 内容 悲しみにとざされた町がありました。毎年、赤ん坊を生贄に捧げなければならないからです。森には悪い魔女がいて、赤ん坊を差し出さな…

希望(ホープ)のいる町 ネタばれなし感想

2001年 ニューベリー賞オナー賞受賞 ジョーン・バウアー 作 作品社 (翻訳家金原瑞人さん推薦作品) 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 読みやすさ ★★★★★ 満点 内容 あたしはパパの名も知らず、ママも幼いあたしをおばさんに預けて出て行ってしまっ…

クローディアの秘密 ネタばれなし感想

カニグズバーグ作 岩波書店 1968年 ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 わくわく度 ★★★★★ 満点 内容 クローディアは退屈だった。何か変わったことがしてみたい。でもダサいのはいや。家出することにしたクローディアは、一定の目…

からすが池の魔女 ネタばれなし感想

エリザベス・ジョージ・スピア作 岩波書店 1959年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 話の重厚さ ★★★★★ 満点 内容 バルバドス島生まれの少女キットは独立直前のニューイングランドに渡るが土地柄になじめない日々を送る。そんな…

アル・カポネによろしく ネタばれなし感想

ジェニファ・チョールデンコウ作 あすなろ書房 2005年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 読後感の良さ ★★★★★ 満点 「カポネ洗濯サービス 一生に一度のチャンス! アル・カポネやマシンガン・ケリーなど、名高き社会の敵…

ジェーンはまんなかさん ネタばれなし感想

エレナー・エステス 作 1943年ニューベリー賞オナー賞受賞 岩波書店 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 ほのぼの度 ★★★★★ 満点 内容 姉と兄と弟にはさまれた“まんなか”のジェーンは、みんなをあっと言わせるような目立つことをしたくてたまりません……

おばあちゃんのたんじょう日ばこ ネタバレなし感想

シャロン・ベル・マティス作 1976年ニューベリー賞オナー賞受賞 偕成社 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 内容 100才になるデューおばあさんが大切にしている箱…。黒人一家の愛と歴史を描く心に迫る一冊。 感想 身近な家庭内ヒューマンドラマが好き…

テラビシアにかける橋 ネタばれなし感想

キャサリン・パターソン 作 偕成社 1978年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 感動度 ★★★★☆ 4点 内容 絵の好きな少年ジェシーと、となりに引っ越してきた風変わりな少女レスリー。テラビシアと名づけた秘密の場所で、ふた…

ゴールデン・バスケットホテル ネタばれなし感想

ルドウィッヒ・ベーメルマンス作 1937年ニューベリー賞オナー賞受賞 BL出版 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 ほっこり度 ★★★★★ 満点 内容 屋根の上に金色のバスケットの飾りがついた古いホテル。セレステとメリサンド、ふたりの女の子はお父さん…

世界一幸せなゴリラ、イバン ネタばれなし感想

キャサリン・アップルゲイト 作 講談社 2013年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 内容 イバンはショッピングモールの小さな動物園に住む陽気なゴリラで、絵を描くことが得意。隣のおりのゾウのステラや、野良犬のボブとは大の仲良…

首のないキューピッド ネタばれなし感想

ジルファ・キートリー・スナイダー 作 冨山房(絶版してるので、読むとしたら、図書館で取り寄せなどでどうぞ) 1972年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 はらはらドキドキ度 ★★★★★ 満点 内容 デービットの家に、義母モリ…

すえっ子のルーファス ネタばれなし感想

エレナー・エスティス作 1944年ニューベリー賞オナー賞受賞 岩波書店 面白さ ★★★☆☆ 3点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 ほのぼの度 ★★★★★ 満点 内容 モファット家のすえっ子ルーファスは、いつも元気いっぱい。左利きなので草野球で思いがけない大活躍をしたり、腹…

まぬけなワルシャワ旅行 ネタばれなし感想

I・Bシンガー作 1969年ニューベリー賞オナー賞受賞 岩波書店 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 ゆかい度 ★★★★★ 満点 内容 まぬけばかりの町ヘルムに住む、とびきりまぬけなシュレミールの抱腹絶倒の旅行談、欲の皮のつっぱった金持ちをまんまとだま…

きいてほしいの、あたしのこと ―― ウィン・ディキシーのいた夏 ネタばれなし感想

ケイト・ディカミロ 作 ポプラ社 2001年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 ほんわか度 ★★★★★ 満点 内容 スーパーの中で出会った、おかしな犬ウィン・ディキシー。さみしがりやで、笑った顔がとくいで、びっくりすると、く…

クレイジー・レディー! ネタばれなし感想

ジェイン・レズリー・コンリー 作 福音館書店 1994年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 読みやすさ ★★★★★ 満点 内容 となりのブロックにいるんだよ、やっかいな親子がさ。アル中でキレっぱなしの母親と、知恵おくれの息子…

偉大なるM.C.ネタばれなし感想

ヴァージニア・ハミルトン 作 岩波書店 1975年ニューベリー賞受賞 面白さ ★☆☆☆☆ 1点 メッセージ性 ★☆☆☆☆ 1点 内容 オハイオ川をのぞむセアラ山に建つあばら家で、仲良く暮らすアフリカン・アメリカンの13歳の少年M.C.とその家族。ある日、前後して山にや…