偉大なるM.C.ネタばれなし感想
ヴァージニア・ハミルトン 作
1975年ニューベリー賞受賞
面白さ ★☆☆☆☆ 1点
メッセージ性 ★☆☆☆☆ 1点
内容 オハイオ川をのぞむセアラ山に建つあばら家で、仲良く暮らすアフリカン・アメリカンの13歳の少年M.C.とその家族。ある日、前後して山にやってきた二人の訪問者。彼らと関わったM.C.は世界観の大転換を経験し、ある志を胸に生きていくことを決意する。
感想 最初の100ページを状況説明に費やされてストーリーがほとんど進みません。とても退屈でした。
訳者のあとがきでは、「はつらつとした」や「活気と冒険に満ちた」生活の物語と称しているけれど、読んだうえでの印象はどう考えても真逆で、妙に暗く、覇気がない世界観だし、「偉大なる」と形容されている主人公は妙に細かいことを気にして小さなことをぐちぐちと悩む、うじうじしている割に見栄っ張りな少年で、愛すべき点がないです。登場人物のほとんどが、無駄に暴力的で、わけのわからない行動をとるがゆえに感情移入の出来くなっています。物語はというと、山に住む主人公のその家族に忍び寄る、開発された土地の排土が崩れかかってくる不安という、盛り上がりにかけるテーマがメインで、物語の進行ものろのろとしていて、とてもテンポが悪いです。
つまりこの物語はいいとこなしです。どうしてこれがニューベリー賞を受賞したのかといえば、「黒人」というテーマに対してニューベリー賞は甘いんですね。
それだけのこととしか思えない。
とてもつまらなくて読むのがつらく、一か月もかかりました。個人的にはお勧めできません。
同作者さんの1972年のオナー賞受賞作の感想
こちらは1983年のオナー賞作品の感想
読んでいただき、ありがとうございました!