児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

ニューベリー賞

ハロー、ここにいるよ ネタばれなし感想

エリン・エントラーダ・ケリー 作 武富博子訳 評論社 2018年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 ヴァージルはおとなしい。活動的な家族の中で、「カメ」(いつも甲羅に閉じこもっているから)と呼ばれるほどだ。女の子を好きに…

スアレス一家は、今日もにぎやか ネタばれなし感想

メグ・メディナ 作 橋本恵訳 あすなろ書房 2019年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 読みやすさ ★★★★★ 満点 内容 11歳のメルシは、サッカーの得意な女の子。 名門私立校に編入したのはいいけれど、クラスメイトはリッチな子ばかり…

海をおそれる少年(世界の名作図書館31)1969年版  ネタばれなし感想

アームストロング・スペリー作 飯島淳秀訳 講談社 ※旧約、新訳(「それを勇気とよぼう」 1974年版 久保田輝男訳で学研から出版)ともに絶版 1941年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 わくわく度 ★★★★★ 満点 内容 マファツ少年の島…

揚子江の少年 ネタばれなし感想

エリザベス・ルイス作 小出正吾訳 1958年版 講談社 (絶版してます) (※ 本書は、3回翻訳されています。『長江上流の若者』本間立也訳 改造社 1938版/『揚子江の傅さん』小出正吾実業之訳 日本社 1942年版など) 1933年ニューベリー賞受賞 面白さ …

極楽にいった猫 ネタばれなしレビュー

エリザベス・コーツワース作 古屋美登里 訳 清流出版 1931年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 日本を舞台に、涅槃図の作成を依頼された絵師と猫の交流を描く。 感想 戦前のアメリカ人が、日本を舞台に書いた本というのは、…

きらきら ネタばれなしレビュー

シンシア・カドハタ作 代田亜香子 訳 白水社 2005年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 内容 姉のリンがわたしに最初に教えてくれたことば、それは「きらきら」という日本語。深くてしかも透き通った海や空をあらわすことば。ある…

月の光を飲んだ少女 ネタばれなし感想

ケリー・バーンヒル 作 佐藤見果夢 訳 評論社 2017年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★☆☆☆ 2点 メッセージ性 ★☆☆☆☆ 1点 内容 悲しみにとざされた町がありました。毎年、赤ん坊を生贄に捧げなければならないからです。森には悪い魔女がいて、赤ん坊を差し出さな…

クローディアの秘密 ネタばれなし感想

カニグズバーグ作 岩波書店 1968年 ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 わくわく度 ★★★★★ 満点 内容 クローディアは退屈だった。何か変わったことがしてみたい。でもダサいのはいや。家出することにしたクローディアは、一定の目…

からすが池の魔女 ネタばれなし感想

エリザベス・ジョージ・スピア作 岩波書店 1959年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 話の重厚さ ★★★★★ 満点 内容 バルバドス島生まれの少女キットは独立直前のニューイングランドに渡るが土地柄になじめない日々を送る。そんな…

世界一幸せなゴリラ、イバン ネタばれなし感想

キャサリン・アップルゲイト 作 講談社 2013年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 内容 イバンはショッピングモールの小さな動物園に住む陽気なゴリラで、絵を描くことが得意。隣のおりのゾウのステラや、野良犬のボブとは大の仲良…

偉大なるM.C.ネタばれなし感想

ヴァージニア・ハミルトン 作 岩波書店 1975年ニューベリー賞受賞 面白さ ★☆☆☆☆ 1点 メッセージ性 ★☆☆☆☆ 1点 内容 オハイオ川をのぞむセアラ山に建つあばら家で、仲良く暮らすアフリカン・アメリカンの13歳の少年M.C.とその家族。ある日、前後して山にや…

五次元世界のぼうけん ネタばれなしレビュー

マドレイン・ラングル(レングル)作 あかね書房 (新訳 「惑星カマゾツ 時間と空間の冒険1」 出版社 サンリオ1982) 1963年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★☆☆ 3点 メッセージ性★★★☆☆ 3点 ニューベリー賞には珍しいSF小説です。

リンカン アメリカを変えた大統領  感想

ラッセル・フリードマン作 金原 瑞人訳 偕成社 1988年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 内容 丸太小屋からホワイトハウスへというアメリカン・ドリームを体現した大統領の努力と栄光そして苦悩。アメリカの変革の歴史を重ねあ…

ザ・ギバー 記憶を伝える者 ネタばれなし感想

ロイス・ローリー 講談社 1994年 ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性★★★★★ 満点 世界観の完成度★★★★★ 満点 内容 社会にうずまく悪や欲望、苦痛や悩みなどがすべえてとりはらわれた理想社会――喜怒哀楽の感情が抑制され、職業が与えられ、…

海の英雄 ネタばれなし感想

ジーン・L・レィサム作 新紀元社 1956年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 内容 実在した18世紀アメリカの数学者ナサニエルバウディッチの伝記本です。子供時代に船舶雑貨商に奉公し、その後武装商船の乗組員として働きながら数…

ラッキー・トリンブルのサバイバルな毎日 ネタばれなし感想

スーザン・パトロン作 あすなろ書房 2007年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★☆☆☆ 2点 内容 サバイバルキットのつまったバックパックがいつも手放せない女の子ラッキー。彼女のアタマの中は、疑問や不安や心配ごとがいっぱい!でも、目…

クレージー・マギーの伝説 ネタばれなし感想

ジェリー スピネッリ作 偕成社 1991年 ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 ヒーロー度 ★★★★★ 満点 内容 だれよりも速く、遠くまで走れる子。どんなひものもつれも、あっというまにほどいちゃう子。動物園の赤ちゃんバッファ…

赤い十字章―画家ベラスケスとその弟子パレハ  ネタばれなし感想

面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 エリザベス・ボートン デ・トレビノ作 さ・え・ら書房 1966年ニューベリー賞受賞 内容 スペインの宮廷画家ベラスケスにはファン・デ・パレハという黒人奴隷がいて、彼の仕事を助けていた。ベラスケスによる肖像画…

ヘンショ―さんへの手紙 ネタばれなし感想

ベバリイ・クリアリー作 あかね書房 1984年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆4点 メッセージ性 ★★★★☆4点 ジャンル 成長物語 家族もの 内容 リーの父は、長距離トラックの運転手。母と離婚し、犬のバンディットと家を出た。リーは、両親への自分の気持ちや、…

バドの扉がひらくとき ネタばれなし感想

クリストファー・ポール カーティス作 徳間書店 2000年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 元気になれる度 ★★★★★ 満点 感動度 ★★★★★ 満点 ジャンル 冒険 家族もの コメディ 孤児もの みなしごバドの家族探しの旅 内容 バドが六つの時にママが死んだ。…

フリスビーおばさんとニムの家ねずみ ネタばれなし感想

ロバート・C・オブライエン作 冨山房 1972年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★満点 メッセージ性 ★★★★☆4点 わくわく度 ★★★★★満点 内容 人間に住まいをこわされた野ねずみ一家は引っ越しを迫られた。ニムの家ねずみのところへ相談に行くと、野ねずみと家…

コウノトリと六人の子どもたち  ネタばれなし感想

マインダート・ディヤング作 挿絵 モーリス・センダック 岩波書店 面白さ ★★★★★満点 メッセージ性 ★★★★★満点 ほっこり度 ★★★★★満点 1955年ニューベリー賞受賞 ジャンル ヒューマンドラマ 冒険 小学校高学年くらいから コウノトリを巡って村は大騒ぎ 内容 コ…

ビリー・ジョーの大地 ネタばれなし感想

カレン ヘス 作 理論社 1998年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★満点 メッセージ性 ★★★★★満点 文体が美しい★★★★★満点 ジャンル 家族もの ヒューマンドラマ 内容 1934年アメリカ・オクラホマ。14歳の少女ビリー・ジョーは、無口な農夫の父と厳格な母と、そ…

身がわり王子と大どろぼう ネタばれなし感想

シド フライシュマン作 偕成社 1987年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★満点 痛快度 ★★★★★満点 元気になれる度 ★★★★★満点 ジャンル 冒険 成長物語 友情 愉快痛快大冒険! 内容 「むちうち、20回!」お城のわんぱく王子がいたずらをすると、身がわりの少年がよ…

ニューベリー賞、カーネギー賞、ガーディアン賞について

それぞれに賞について簡単に説明しますね。 カーネギー賞とは イギリスの図書館協会から贈られる児童文学の賞です。 ガーディアン賞は、イギリス又は英語圏の著者によりイギリスで公表された優れた児童文学作品に与えられる賞です。 ニューベリー賞とは アメ…

風の子キャディー ネタばれなし感想

1936年ニューベリー賞受賞 キャロル・ライリー・ブリンク作 ケート・セリディ絵 講談社(絶版してます) 面白さ ★★★★★満点 メッセージ性 ★★★★★満点 元気になれる ★★★★★満点 ジャンル 成長物語 冒険 家族もの 内容 開拓時代のアメリカを舞台にした、お転婆少…

メープルヒルの奇跡  ネタばれなし感想

面白さ ★★★★★満点 メッセージ性 ★★★★★満点 心が洗われる度 ★★★★★満点 ヴァージニア・ソレンセン著 ほるぷ出版 ジャンル ヒューマンドラマ 家族もの 1957年ニューベリー賞受賞 内容 戦争で心に傷をおった父親をはげますため、10歳の女の子マーリーとその一家…