児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

スアレス一家は、今日もにぎやか ネタばれなし感想

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メグ・メディナ 作   橋本恵訳 

あすなろ書房  

2019年ニューベリー賞受賞 f:id:g-mccaghrean:20200207210504j:plain

面白さ ★★★★☆ 4点

メッセージ性 ★★★★☆ 4点

読みやすさ ★★★★★ 満点f:id:g-mccaghrean:20200110192509j:plain

内容 11歳のメルシは、サッカーの得意な女の子。
名門私立校に編入したのはいいけれど、クラスメイトはリッチな子ばかり。
新しい自転車を買うためにアルバイトだってしたいのに、
こまった家族のおかげでメルシはいつも右往左往。
家族って、ホントめんどくさい!
フロリダ発、あったかいけどちょっとビターな家族の物語。

 

感想 とっても読みやすかったです。文章がわかりやすいし、重めのテーマを深刻になりすぎずに書いていて、さくっと読める感じがいいですね(^O^) 。

 

メルシはお金のゆとりのなさや双子のことなど、読者にも身近であろう家庭への不満を持っていて非常に等身大で親しみやすい物語になっています。ただ、メルシが直面する女の子同士の確執?については私も女ですが、孤独な学生時代を送ったのであまりピンと来ず、こんなものなのかなという感じ。

 

思えば、ニューベリー賞受賞作でこの病気を扱ったものってありそうで、あまりなかったような(ネタバレ防止のため、詳しくは伏せます)。冒頭のおじいちゃんとメルシの仲良しっぷりを見ていて、メルシのおじいちゃんっ子ぶりが微笑ましかったので、読んでいて時々こちらも寂しくなりましたよ (´・ω・`)

ただ、ニューベリー賞のオナー賞ならともかく、優勝にふさわしいほどの作品でもないような‥。あくまで個人的な感想ですが、特筆するような面白さとか、メッセージ性とか心揺さぶられる何かがあるわけではないかな、と思いました。

キューバアメリカ人の知識があればもっとこの本を深く読めたかもしれませんf:id:g-mccaghrean:20200110192549p:plain

この作者さんはキューバアメリカ人の新人作家らしいので今後の活躍も期待大ですね。

読んでいただきありがとうございました。

 

スアレス一家は、今日もにぎやか

スアレス一家は、今日もにぎやか