児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

ニューベリー賞、カーネギー賞、ガーディアン賞について

それぞれに賞について簡単に説明しますね。

カーネギー賞とはf:id:g-mccaghrean:20181216180039j:plain
 イギリスの図書館協会から贈られる児童文学の賞です。
ガーディアン賞は、イギリス又は英語圏の著者によりイギリスで公表された優れた児童文学作品に与えられる賞です。

ニューベリーとはf:id:g-mccaghrean:20190225013007j:plain
 アメリカで出版された児童書の中で、もっともすぐれたものに対し年に一度贈られる、権威ある児童文学賞です。
条件は
アメリカ国内で出された本
アメリカ人の作者の本であることなど。

そしてニューベリーオナー賞とはf:id:g-mccaghrean:20181205020107j:plain

おしくも賞を逃した作品に与えられる「ニューベリー名誉賞」(佳作)というものだそうです。ニューベリー賞の準優勝、銀賞ということですかね。

それぞれの受賞作については「やまねこ翻訳クラブ」というサイトが詳しいです。

 

ここからは私の個人的な見方の話になります。
これらの本に選ばれる、「優れた本」の基準ですが、確かにこれらの賞を受賞した本は話がしっかりしていてテーマがちゃんとあって面白い本が多いです(^O^)
たまには「なぜこれが・・・」と選ばれた理由がわからない本もありますが・・・。

この賞の一番おおもとのテーマは 「博愛 友愛 人生賛歌」にあるようです。受賞作の本は9割ほど読みましたがだいたいが博愛や友愛、「人生って素晴らしい」というテーマに満ちてます(*´∀`*) 
大人が読んでも充分読めるくらい内容がしっかりしているし、感動できます。

ニューベリー賞は話がしっかりしていて、社会小説的な内容も多いので、「子どもには難しいんじゃないか」f:id:g-mccaghrean:20200110192549p:plainと議論がなされています。
確かにむずかしい・・・。受賞作の本の多くはもしわたしが
小学生のときに読んでもまったくちんぷんかんぷん(+。+)だったと思われます。
黒人奴隷とかインディアン追放とか南北戦争とかの重い話や娯楽性のない話も多いので子どもが読んでも面白くなさそうなものもけっこうあります・・(´ヘ`;) 。読書が好きでもない子に、「賞をとった名作だし、いいだろう」と適当なものを勧めると「本ってわかりづらいし、つまらないな(゚⊿゚)イラネ」という感想を持たせかねないですね。
子どもにすすめるならそれぞれの年齢にあいそうなもの、またその子が好きそうなジャンルの本を選んだほうがいいでしょう。

しかし、私は子どもの頃にニューベリー賞、カーネギー賞、ガーディアン賞の低年齢向けの本を読みあさって、それらが優れていることに気付いたので
ちゃんとその年ごろや各人の好みに合ったものを選べばたぶん子どもからみても面白いものが多いんじゃないかと思います。

 

このブログで過去に取り上げた作品(年度順)

 


カーネギー賞f:id:g-mccaghrean:20190624170152j:plain

 


1937年 ふくろ小路一番地  イーヴ・ガーネット作 岩波書店

1947年 九つの銅貨 ウォルター・デ・ラ・メア福音館書店

1959年 ともしびをかかげて ローズマリ・サトクリフ 作 岩波書店

1965年 エリダー 黄金の国 アラン・ガーナー 作 評論社

1967年 村は大きなパイつくり ヘレン・クレスウェル作 岩波書店

  ふくろう模様の皿 アラン・ガーナー 作 評論社

1968年 ささやき山の秘密 ジョーン・エイケン冨山房

1985年 ビーストの影 ジャニ・ハウカー 作 レターボックス社

1989年 不思議を売る男 ジェラルディン・マコーリアン作 偕成社

1991年 おとぎばなしはだいきらい     ジャクリーン・ウィルソン偕成社

2000年 真実の裏側 ビヴァリー・ナイドゥー 作     めるくまーる(出版社)

2001年 天才ネコモーリスとその仲間たち  テリー・プラチェット作 あすなろ書房

ニューベリーf:id:g-mccaghrean:20190624170238j:plain

1931年 極楽にいった猫 エリザベス・コーツワース作 清流出版

1933年 揚子江の少年  エリザベス・ルイス作  講談社

1936年 風の子キャディー キャロル・ライリー・ブリンク作 講談社

1937年オナー賞 ゴールデン・バスケットホテル ルドウィッヒ・ベーメルマンス 作     BL出版

1940年オナー賞 歌う木  ケイト・セレディ 作        福音館書店/偕成社

1941年 海をおそれる少年 アームストロング・スペリー作 講談社  

1943年オナー賞 ジェーンはまんなかさん     エレナー・エステス作    岩波書店

1944年オナー賞 すえっ子のルーファス エレナー・エステス作    岩波書店

 1945年オナー賞 百まいのドレス エリノア・エスティス作 岩波書店

1955年 コウノトリと六人の子どもたち マインダート・ディヤング作 挿絵 モーリス・センダック 岩波書店

オナー賞 アルプスの赤い旗  ジェイムス・オーマン(アルマン)作 講談社

1956年 海の英雄 ジーン・L・レィサム作 新紀元社

オナー賞 生命の神秘を探る キャサリン・シッペン作 偕成社

1957年 メープルヒルの奇跡 ヴァージニア・ソレンセン作         ほるぷ出版

オナー賞  黄色い老犬    フレッド・ギプソン作         講談社

1959年 からすが池の魔女          エリザベス・ジョージ・スピア作 岩波書店

オナー賞 橋の下の子どもたち ナタリー・サヴィジ・カールソン作(ガース・ウィリアムズ画) フェリシモ出版

1963年 五次元世界のぼうけん  マドレイン・ラングル作 あかね書房

1964年オナー賞 はるかなるわがラスカル スターリング・ノース作 学習研究社 

1966年オナー賞  赤い十字章―画家ベラスケスとその弟子パレハ エリザベス・ボートン・トレビノ作 さ・え・ら書房          

1967年オナー賞  やぎと少年 アイザック・バシェヴィス・シンガー作 岩波書店

1968年 クローディアの秘密 カニグズバーグ作 岩波書店

オナー賞 魔女ジェニファとわたし カニグズバーグ作 岩波書店

1969年オナー賞     まぬけなワルシャワ旅行 アイザック・バシェヴィス・シンガー作 岩波書店

1971年オナー賞          ニーノック・ライズ ナタリー・バビット作    評論社

1972年 フリスビーおばさんとニムの家ねずみ ロバート・C・オブライエン作          冨山房

オナー賞    ジュニア・ブラウンの惑星 ヴァージニア・ハミルトン作     岩波書店

 首のないキューピッド ジルファ・キートリー・スナイダー作 冨山房

1973年オナー賞          魔女の猫ウォーム ジルファ・キートリー・スナイダー作 冨山房

1975年 サム兄さんは死んだ ジェイムズ・リンカン・コリアー&クリストファー・コリアー作 ぬぷん児童図書出版

1976年オナー賞          おばあちゃんのたんじょう日ばこ シャロン・ベル・マティス作        偕成社

1977年 オナー賞 アベルの島 ウィリアム・スタイグ作  評論社

1978年 オナー賞 テラビシアにかける橋 キャサリン・パターソン         偕成社       

ラモーナとおとうさん ベヴァリー・クリアリー 作         学研

1979年 ガラスの家族  キャサリン・パターソン作 偕成社

1982年オナー賞  ラモーナ、八歳になる ベバリイ・クリアリー作         学習研究社

やぎのあたまに アランカ・シーガル作 草土文化

1983年オナー賞 マイゴーストアンクル ヴァージニア・ハミルトン作 原生林

1984年  ヘンショ―さんへの手紙 ベヴァリー・クリアリー作              あかね書房

オナー賞 ふしぎなふしぎなカード  ビル・ブリトゥン作        文研   

ビーバー族のしるし エリザベス・ジョージ・スピア作 あすなろ書房

1987年 身がわり王子と大どろぼう シド・フライシュマン作 偕成社

1987年オナー賞 トニーが消えた日 マリアン・D・バウアー 作       佑学社

大噴火とよみがえる自然 パトリシア・ローバー作                   評論社

1988年 リンカン アメリカを変えた大統領 ラッセル・フリードマン作 偕成社

1990年オナー賞 エルフたちの午後 ジャネット・テーラー・ライル作    評論社

1991年  クレージー・マギーの伝          ジェリー・スピネッリ作  偕成社   

1994年 ザ・ギバー 記憶を伝える者 ロイス・ローリー 作 講談社

オナー賞 クレイジー・レディー!  ジェイン・レズリー・コンリー作       福音館書店

1996年オナー賞  ワトソン一家に天使がやってくるとき クリストファー・ポール・カーティス作 唐沢則幸        くもん出版      

1998年 ビリー・ジョーの大地 カレン・ヘス作       理論社 

オナー賞  魔法にかけられたエラ ゲイル・カーソン・レヴィン 作 サウザンブックス社

2000年 バドの扉がひらくとき クリストファー・ポール・カーティス作     徳間書店 

2000年オナー賞 屋根にのぼって オードリー・コルンビス      白水社

2001年 希望(ホープ)のいる町 ジョーン・バウアー 作       作品社

オナー賞 きいてほしいの、あたしのこと ―― ウィン・ディキシーのいた夏 ケイト・ディカミロ作        ポプラ社       

2002年オナー賞 みんなワッフルにのせて ポリー・ホーヴァート 白水社

2003年オナー賞 宇宙のかたすみ アン・M・マーティン   アンドリュース・プレス(出版社)

2005年     きらきら  シンシア・カドハタ作 白水社

2005年オナー賞 アル・カポネによろしく         ジェニファ・チョールデンコウ作 あすなろ書房

2006年オナー賞   ウィッティントン アラン・アームストロング作                     さ・え・ら書房

プリンセス・アカデミ   シャノン・ヘイル 作 小学館  

2007年 ラッキー・トリンブルのサバイバルな毎日 スーザン・パトロン作      あすなろ書房

2012年オナー賞 はじまりのとき  タィン=ハ・ライ作 鈴木出版

2013年  世界一幸せなゴリラ、イバン キャサリン・アップルゲイト作 講談社

2016年オナー賞 わたしがいどんだ戦い 1939年   キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー作      評論社 

2017年 月の光を飲んだ少女 ケリー・バーンヒル 作   評論社

2017年オナー賞  その年、わたしは嘘をおぼえた ローレン ウォーク作 さ・え・ら書房 

2019年  スアレス一家は、今日もにぎやか   メグ・メディナあすなろ書房