児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

ウィッティントン ネタばれなし感想

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アラン アームストロング 作

さえら書房

 2006年ニューベリー賞オナー賞受賞f:id:g-mccaghrean:20181205020107j:plain 

面白さ ★★★★★ 満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

メッセージ性 ★★★★★ 満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

感動度 ★★★★★ 満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

内容 はみだし者の集まった農場でくりひろげられる動物ファンタジー。伝説の若き英雄と猫の大冒険とロマンス。親を亡くした少年へ動物たちの愛がもたらす奇跡。

 

「あなた、だれ?」ようやく、カモが口をひらいた。

「ウィッティントン」

猫は、傾いた体をちょっと立てなおした。

本文より

 

感想 農場ではぐくまれる動物たちの友情と絆、同時並行で交錯する、一人の実在の貿易商人のサクセスストーリー。

「ウィッティントン」はふたつの全く別の物語を一冊で味わえます。

 

農場の動物たちはそれぞれ個性的でみんな憎めないものたちばかり。親しみを感じるキャラクターたちは楽しいし、動物仲間たちの絆は心温まります(*´∀`*)。本書には猫、犬、カモ、ニワトリ、ネズミ、馬などの動物が登場するのですが作者さんは本当に動物が好きなようです。各動物の生態や行動、病気などもきちんと書かれており、動物たちの描写には作者の優しさが感じられますf:id:g-mccaghrean:20181218213332p:plain

作中に登場する学習障害の少年の話は、いろんなメッセージが詰め込まれていて、この本をただの楽しいだけのお話で終わらせなくしています。

そして主人公の猫が語る14世紀の伝説の貿易商人のひたむきな人生も、細かい描写がされていて読ませます。

とてもよく出来た、完成度の高いお話で、大人が読んでも充分楽しめると思います(゜∀゜)。

勉強について、人生について、命について、さりげなく何かを教えてくれるような物語です。

 

ウィッティントン

ウィッティントン