児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

社会小説

やぎのあたまに―アウシュビッツとある少女の青春 ネタばれなし感想

アランカ・シーガル作 小柴一 訳 草土文化(出版社) 1982年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 内容 ハンガリーのユダヤ人達の、アウシュヴィッツに送られる直前までの迫害と不安の日々を、少女の目を通して綴るノンフィ…

わたしがいどんだ戦い 1939年 ネタばれなし感想

キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー作 大作道子訳 評論社 2016年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 一九三九年。二度目の世界大戦さなかのロンドン。足の悪いエイダは、けんめいに歩く練習をしていた。歩け…

揚子江の少年 ネタばれなし感想

エリザベス・ルイス作 小出正吾訳 1958年版 講談社 (絶版してます) (※ 本書は、3回翻訳されています。『長江上流の若者』本間立也訳 改造社 1938版/『揚子江の傅さん』小出正吾実業之訳 日本社 1942年版など) 1933年ニューベリー賞受賞 面白さ …

歌う木 ネタばれなし感想

ケイト・セレディ 作 松本恵子訳 福音館書店(1971年)/偕成社(文庫版 1980年) 1940年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 感動度 ★★★★★ 満点 内容 1936年ニューベリー賞、オナー賞の「すてきなおじさん」の続編。…

サム兄さんは死んだ ネタばれなし感想

ジェイムズ・リンカン・コリアー&クリストファー・コリアー作 青木信義 訳 ぬぷん児童図書出版 1975年 ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 読みやすさ ★★★★★ 満点 内容 アメリカ独立戦争でミーカ一家は渦中に入ってしま…

希望(ホープ)のいる町 ネタばれなし感想

2001年 ニューベリー賞オナー賞受賞 ジョーン・バウアー 作 作品社 (翻訳家金原瑞人さん推薦作品) 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 読みやすさ ★★★★★ 満点 内容 あたしはパパの名も知らず、ママも幼いあたしをおばさんに預けて出て行ってしまっ…

からすが池の魔女 ネタばれなし感想

エリザベス・ジョージ・スピア作 岩波書店 1959年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 話の重厚さ ★★★★★ 満点 内容 バルバドス島生まれの少女キットは独立直前のニューイングランドに渡るが土地柄になじめない日々を送る。そんな…

ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ ネタばれなし感想

アンジー・トーマス作 岩崎書店 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 イマドキ度 ★★★★★ 満点 2017年ボストングローブ・ホーンブック賞受賞 内容 ギャングがはびこる町に暮らす女子高生、スター。ある晩、幼なじみのカリルが白人警官によって射殺されて…

真実の裏側 ネタばれなし感想

ビヴァリー・ナイドゥー 作 めるくまーる(出版社) 2000年カーネギー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 内容 シャデーが登校の準備をしていると、突然銃声が鳴り響き、母が倒れた。ナイジェリア軍事政府の批判記事を書き続けているジャーナ…

百まいのドレス ネタバレなし感想

エリノア・エスティス作 岩波書店 1945年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性★★★★☆ 4点 内容 「百まいのドレス」を持っていると言い張る、まずしいポーランド移民の女の子ワンダ。人気者で活発なペギーが先頭に立って、みんなでワン…

エルフたちの午後 ネタばれなし感想

ジャネット・テーラー・ライル作 評論社 1990年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 5点 少女のみた日常の陰に潜む人生の真実 内容 学校中のきらわれ者、サラケートの家の庭には、エルフたちの小さな村がある。特別にこっそり…