児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

百まいのドレス ネタバレなし感想

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エリノア・エスティス作

岩波書店

 1945年ニューベリー賞オナー賞受賞 f:id:g-mccaghrean:20181205020107j:plain

面白さ ★★★★☆ 4点

メッセージ性★★★★☆ 4点

 

内容 「百まいのドレス」を持っていると言い張る、まずしいポーランド移民の女の子ワンダ。人気者で活発なペギーが先頭に立って、みんなでワンダをからかいます。ペギーの親友マデラインは、よくないことだと感じながら、だまって見ていました…。どんなところでも、どんな人にも起こりうる差別の問題を、むずかしい言葉を使わずにみごとに描いた、アメリカの名作。

 

感想 子どもというのはときに変わった人やおかしな人というものに残酷なくらい反応しますよね。主人公のマデラインのように、かるいいじめやからかいを子どもの頃にしてしまった人は多いのではないでしょうか(´・ω・`) 。

 

読んでいて幼い頃のそんな思い出をよみがえらせてしまいました。

この本は子どもの心というものを美化することなく、リアルに書いてあります。

いわゆる「おもしろい」と楽しむための本ではないかもしれませんが、子どもたちの心にいじめや差別に対してメッセージを残すであろう、良作だと思います。

 

 

百まいのドレス

百まいのドレス

 

 

以下ネタバレ感想注意です。

 

 

 

 

 

 

ペギーは、悪い子ではないと書いてありますが、それにしてもワンダにしたことへの罪悪感が薄いというか、軽すぎるように感じてちょっと読んでいてイライラしました(`ε´)。これで反省して二度といじめをしなくなってほしいですね。

ポーランド人というのは、欧米ではよくジョークの中で馬鹿あつかいされていたりすることが多いですが、(ポーランド人の移民は貧しさなどから教育をあまり受けられない人が多かったかららしいです)ペギーがワンダを利口じゃないとか、ぼんやりしているとか思ってしまったのにはそういう背景もあるのでしょうか。

それにしても、石井桃子さんが出版当時99歳で改訳されたのはすごいです!(∩・∀・)∩オォ!

 

同作者さんが1944年ニューベリー賞オナー賞を受賞した、モファット兄弟シリーズの「すえっ子のルーファス」。

すえっ子のルーファス (岩波少年文庫)

すえっ子のルーファス (岩波少年文庫)

 

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