ジェーンはまんなかさん ネタばれなし感想
エレナー・エステス 作
1943年ニューベリー賞オナー賞受賞
面白さ ★★★★☆ 4点
メッセージ性 ★★★☆☆ 3点
ほのぼの度 ★★★★★ 満点
内容 姉と兄と弟にはさまれた“まんなか”のジェーンは、みんなをあっと言わせるような目立つことをしたくてたまりません…。好奇心いっぱいの元気な女の子がひきおこす楽しいエピソードの数々をユーモラスに描きます。
感想 「元気なモファットきょうだい」に続く、モファット兄弟シリーズ2作目。普通の子どもの日常を書いた,ほのぼののした話が好きな人にお勧めです(^O^)。地味に面白かったです。
個人的には「すえっ子のルーファス」よりも、話のテンポがよくて、前半後半のバランスもいい感じがしたので、こっちのほうが好き。
町一番のお年寄りバックルさんとジェーンが探偵ごっこをするのは楽しいし、微笑ましいですね。
この本で一番いいキャラなのは、間違いなくバックルさんだと思います。
いくつになっても人生を楽しんでいて、ユーモアセンスのあるナイスガイです( ゚∀゚)=3
「たいそうなぞめいとる」は名セリフ
ところで、「すえっこのルーファス」の時も思ったのですが、作中の時代が書いてないですよね。「戦争」ってところで、第二次世界大戦かと思われる方もいるんじゃないかと心配になりました。第一次大戦中のお話らしいです!
以下、どうでもいいけどちょっと思ったことを書いておきます。ネタバレ反転
・「修理の天才」のウォーリーの話は、明らかにウォーリーが無責任でいい加減なのに、野放しのままなので、消化不良というかもやもやする話でした。
・「午後の半日、バックルさんといっしょ」で、思ったこと。
「すえっ子のルーファス」のときのルーファスに限らず、ジェーンも人のうちへ勝手に侵入するのですね。これだけみんな普通にやっているということは、アメリカでは人の家の窓から室内に勝手に侵入するのはきっと普通のことなんでしょう(^O^)。
・「親友」の章は作者さんのが言いたいことが、たいそうなぞめいておりました。お手伝いさんのために、みんなで取り分けるお皿の物は残す、というのは当時一般的な話だったのでしょうか。アメリカでは、お手伝いさんは家の人たちとは区別がされていて、一緒に食事したりしないのが習慣らしいですが・・・。それにしてもお手伝いさんが食べるはずのおかずを、わざわざ家族用のお皿に盛っておいてしかも勧めておきながら、「あれはお手伝いさんに残しておかなければならない」というのは、持って回っためんどくさいやり方なのは確かなのでσ( ̄∇ ̄;)、当時子どもだったお母さんが注意されて恥ずかしがり反省するのはなんだか理不尽(´-ω-`)。
習慣なんていつの時代もそんなものかもしれないけど。
この章に限らず、ジェーンってやたら気を使って考えすぎる子なのですが、それが児童書的な「大人が理想とするいい子像」みたいで、個人的に鼻につきました('ε')。
- 作者: エレナーエスティス,ルイス・スロボドキン,Eleanor Estes,渡辺茂男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/06/16
- メディア: 単行本
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シリーズ3作目、「すえっ子のルーファス」の私の感想はこちら
読んでいただき、ありがとうございました!