児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

小学校高学年くらいから

盗神伝 ハミアテスの約束 ネタばれなし感想

メーガン・ウェイレン・ターナー作 金原瑞人、宮坂宏美 共訳 あかね書房 1997年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★☆☆☆ 2点 内容 「なんだって盗める」代々、盗人の家系に生まれついた少年ジェンは町中で、そういいふらしていた。 …

黄色い老犬 ネタばれなし感想

フレッド・ギプソン作 山西英一訳 講談社 1957年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 ワイルドさ ★★★★★ 満点 内容 1860年代のテキサス、父親が牛を売りに出かけた間、父親から家をまかされた少年トラビスと、迷い犬と…

ふくろ小路一番地 ネタばれなし感想

イーヴ・ガーネット作 石井桃子訳 1937年カーネギー賞受賞 岩波書店 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 にぎやか度 ★★★★★ 満点 内容 ふくろ小路一番地に住む、子だくさんのラッグルス一家の物語。長女がお客さんの洗濯物をちぢませてしまったり、ふた…

ともしびをかかげて ネタばれなし感想

ローズマリ・サトクリフ 作 猪熊葉子 訳 岩波書店 1959年 カーネギー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性★★★★★ 満点 読み応え ★★★★★ 満点 内容 若い軍人アクイラが、いよいよ衰退したローマが四百五十年もの歴史に終止符をうち軍団をブリテンから撤収する…

エリダー 黄金の国 ネタばれなし感想

アラン・ガーナー 作 龍口直太郎訳 評論社1965年 カーネギー賞受賞 面白さ ★☆☆☆☆ 1点 メッセージ性 ★☆☆☆☆ 1点 内容 4人の兄弟はふとしたことからエリダーという異世界に迷い込む。そこで出会った奇妙な男にエリダーを滅びから救うため4つの宝を持ち帰るよ…

海をおそれる少年(世界の名作図書館31)1969年版  ネタばれなし感想

アームストロング・スペリー作 飯島淳秀訳 講談社 ※旧約、新訳(「それを勇気とよぼう」 1974年版 久保田輝男訳で学研から出版)ともに絶版 1941年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 わくわく度 ★★★★★ 満点 内容 マファツ少年の島…

やぎのあたまに―アウシュビッツとある少女の青春 ネタばれなし感想

アランカ・シーガル作 小柴一 訳 草土文化(出版社) 1982年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 内容 ハンガリーのユダヤ人達の、アウシュヴィッツに送られる直前までの迫害と不安の日々を、少女の目を通して綴るノンフィ…

わたしがいどんだ戦い 1939年 ネタばれなし感想

キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー作 大作道子訳 評論社 2016年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 一九三九年。二度目の世界大戦さなかのロンドン。足の悪いエイダは、けんめいに歩く練習をしていた。歩け…

揚子江の少年 ネタばれなし感想

エリザベス・ルイス作 小出正吾訳 1958年版 講談社 (絶版してます) (※ 本書は、3回翻訳されています。『長江上流の若者』本間立也訳 改造社 1938版/『揚子江の傅さん』小出正吾実業之訳 日本社 1942年版など) 1933年ニューベリー賞受賞 面白さ …

歌う木 ネタばれなし感想

ケイト・セレディ 作 松本恵子訳 福音館書店(1971年)/偕成社(文庫版 1980年) 1940年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 感動度 ★★★★★ 満点 内容 1936年ニューベリー賞、オナー賞の「すてきなおじさん」の続編。…

ガラスの家族 ネタばれなし感想

キャサリン・パターソン作 岡本浜江 訳 偕成社 1979年 ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 里親の間を転々としてきた11才のギリーは、したたかな少女だった。愛されることのなかった少女が初めて知った家族とは。 感…

きらきら ネタばれなしレビュー

シンシア・カドハタ作 代田亜香子 訳 白水社 2005年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 内容 姉のリンがわたしに最初に教えてくれたことば、それは「きらきら」という日本語。深くてしかも透き通った海や空をあらわすことば。ある…

サム兄さんは死んだ ネタばれなし感想

ジェイムズ・リンカン・コリアー&クリストファー・コリアー作 青木信義 訳 ぬぷん児童図書出版 1975年 ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 読みやすさ ★★★★★ 満点 内容 アメリカ独立戦争でミーカ一家は渦中に入ってしま…

月の光を飲んだ少女 ネタばれなし感想

ケリー・バーンヒル 作 佐藤見果夢 訳 評論社 2017年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★☆☆☆ 2点 メッセージ性 ★☆☆☆☆ 1点 内容 悲しみにとざされた町がありました。毎年、赤ん坊を生贄に捧げなければならないからです。森には悪い魔女がいて、赤ん坊を差し出さな…

アル・カポネによろしく ネタばれなし感想

ジェニファ・チョールデンコウ作 あすなろ書房 2005年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 読後感の良さ ★★★★★ 満点 「カポネ洗濯サービス 一生に一度のチャンス! アル・カポネやマシンガン・ケリーなど、名高き社会の敵…

ジェーンはまんなかさん ネタばれなし感想

エレナー・エステス 作 1943年ニューベリー賞オナー賞受賞 岩波書店 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 ほのぼの度 ★★★★★ 満点 内容 姉と兄と弟にはさまれた“まんなか”のジェーンは、みんなをあっと言わせるような目立つことをしたくてたまりません……

テラビシアにかける橋 ネタばれなし感想

キャサリン・パターソン 作 偕成社 1978年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 感動度 ★★★★☆ 4点 内容 絵の好きな少年ジェシーと、となりに引っ越してきた風変わりな少女レスリー。テラビシアと名づけた秘密の場所で、ふた…

ゴールデン・バスケットホテル ネタばれなし感想

ルドウィッヒ・ベーメルマンス作 1937年ニューベリー賞オナー賞受賞 BL出版 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 ほっこり度 ★★★★★ 満点 内容 屋根の上に金色のバスケットの飾りがついた古いホテル。セレステとメリサンド、ふたりの女の子はお父さん…

世界一幸せなゴリラ、イバン ネタばれなし感想

キャサリン・アップルゲイト 作 講談社 2013年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 内容 イバンはショッピングモールの小さな動物園に住む陽気なゴリラで、絵を描くことが得意。隣のおりのゾウのステラや、野良犬のボブとは大の仲良…

首のないキューピッド ネタばれなし感想

ジルファ・キートリー・スナイダー 作 冨山房(絶版してるので、読むとしたら、図書館で取り寄せなどでどうぞ) 1972年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 はらはらドキドキ度 ★★★★★ 満点 内容 デービットの家に、義母モリ…

すえっ子のルーファス ネタばれなし感想

エレナー・エスティス作 1944年ニューベリー賞オナー賞受賞 岩波書店 面白さ ★★★☆☆ 3点 メッセージ性 ★★★☆☆ 3点 ほのぼの度 ★★★★★ 満点 内容 モファット家のすえっ子ルーファスは、いつも元気いっぱい。左利きなので草野球で思いがけない大活躍をしたり、腹…

まぬけなワルシャワ旅行 ネタばれなし感想

I・Bシンガー作 1969年ニューベリー賞オナー賞受賞 岩波書店 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 ゆかい度 ★★★★★ 満点 内容 まぬけばかりの町ヘルムに住む、とびきりまぬけなシュレミールの抱腹絶倒の旅行談、欲の皮のつっぱった金持ちをまんまとだま…

きいてほしいの、あたしのこと ―― ウィン・ディキシーのいた夏 ネタばれなし感想

ケイト・ディカミロ 作 ポプラ社 2001年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 ほんわか度 ★★★★★ 満点 内容 スーパーの中で出会った、おかしな犬ウィン・ディキシー。さみしがりやで、笑った顔がとくいで、びっくりすると、く…

クレイジー・レディー! ネタばれなし感想

ジェイン・レズリー・コンリー 作 福音館書店 1994年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 読みやすさ ★★★★★ 満点 内容 となりのブロックにいるんだよ、やっかいな親子がさ。アル中でキレっぱなしの母親と、知恵おくれの息子…

はじまりのとき ネタばれなしレビュー

タィン=ハ・ライ作 鈴木出版 2012年ニューベリー賞オナー賞受賞 面白さ ★★★★☆ 4点 メッセージ性 ★★★★☆ 4点 内容 戦火のベトナムをのがれ、難民としてアメリカ合衆国でくらすことになった家族が、あらたに一歩をふみだすまでの1年。英語も話せないままいきな…

五次元世界のぼうけん ネタばれなしレビュー

マドレイン・ラングル(レングル)作 あかね書房 (新訳 「惑星カマゾツ 時間と空間の冒険1」 出版社 サンリオ1982) 1963年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★☆☆ 3点 メッセージ性★★★☆☆ 3点 ニューベリー賞には珍しいSF小説です。

リンカン アメリカを変えた大統領  感想

ラッセル・フリードマン作 金原 瑞人訳 偕成社 1988年ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 内容 丸太小屋からホワイトハウスへというアメリカン・ドリームを体現した大統領の努力と栄光そして苦悩。アメリカの変革の歴史を重ねあ…

ささやき山の秘密 ネタバレ感想

ジョーン・エイケン作 冨山房 1968年カーネギー賞受賞 1969年ガーディアン賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性★★★★☆ 4点 わくわく度★★★★★ 満点 内容 ティルツ一の竪琴をめぐって事件が起こる。それを保管するヒューズ老人と孫のオーエン。竪琴を手に入れ…

ザ・ギバー 記憶を伝える者 ネタばれなし感想

ロイス・ローリー 講談社 1994年 ニューベリー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性★★★★★ 満点 世界観の完成度★★★★★ 満点 内容 社会にうずまく悪や欲望、苦痛や悩みなどがすべえてとりはらわれた理想社会――喜怒哀楽の感情が抑制され、職業が与えられ、…

天才ネコモーリスとその仲間たち ネタばれなし感想

テリー・プラチェット作 あすなろ書房 2001年カーネギー賞受賞 面白さ ★★★★★ 満点 メッセージ性 ★★★★★ 満点 ハラハラわくわく度 ★★★★★ 満点 内容 ある日突然天才になったネコ、モーリスとネズミたちが手を組んで、壮大なプロジェクトに着手した。驚くべき方…