歌う木 ネタばれなし感想
ケイト・セレディ 作 松本恵子訳
1940年ニューベリー賞オナー賞受賞
面白さ ★★★★★ 満点
メッセージ性 ★★★★★ 満点
感動度 ★★★★★ 満点
内容 1936年ニューベリー賞、オナー賞の「すてきなおじさん」の続編。1914年、ハンガリー。農園の少年ジャンクシィは、勝気ないとこのケイトや優しいお母さん、お父さんと忙しくも、平和な日常を過ごしていた。しかし、戦争が始まって…。
感想 個人的な、ニューベリー賞本の最高峰。これほど、博愛と友愛に満ちた児童書を私は知らないです。
「女の子が馬にまたがるなんてはしたない」など、男女観こそ、古めかしく、時代を感じますが、ブタペスト生まれの著者が描く、当時のハンガリー農民のリアルなあり方なのでしょう。(後のほうで、作者さんの頭はそこまで固くないと感じれる描写もあります。)
一つ一つのシーンに一切無駄がなく、各エピソードも、物語全体の流れも完成度が高く、素晴らしいです。
イラストの仕事もされていたという、作者さん自ら描かれた挿し絵も、きれい。
中盤以降は泣きっぱなしでした(ノД`)。
戦争という、悲惨な状況下での人間の姿を実直に描くことで、同時に描かれる人の暖かさ、美しさがよりいっそう胸に染みます。私的にはこれはもう、不朽の名作であり、人類の必読書にしてもいいくらいだと思っています
絶版になってしまっていますが、ぜひぜひ、出版者様には再販を検討していただきたいです。
読んでいただきありがとうございます!
復刊リクエストよかったらお願いします(^O^)