極楽にいった猫 ネタばれなしレビュー
エリザベス・コーツワース作 古屋美登里 訳
清流出版
1931年ニューベリー賞受賞
面白さ ★★★★☆ 4点
メッセージ性 ★★★★☆ 4点
内容 日本を舞台に、涅槃図の作成を依頼された絵師と猫の交流を描く。
感想 戦前のアメリカ人が、日本を舞台に書いた本というのは、珍しくて興味深かったです。
お話は、日本に伝わる民話や昔話を思わせる内容で、面白いし、あまり知識もなかった釈迦の話が、子供にもわかるように要約されていて読みやすいですね。
ただ、ちょっと宗教色が強いと感じました。ネタバレしないよう、名前を伏せますが、あのキャラクターの最後が殉教的なのがうーん(゚~゚)、という感じ。仏教を信心している方なら、絵師や釈迦の慈悲が心に染み入る話だと思いますが、私は宗教に疎いので、どうしても感想が薄くなってしまいます。
それにしても日本人の絵師が虎を日常的に見ているような描写はちょっと疑問。作者さん、中国と混合されてるのかな?と思いました。