わたしがいどんだ戦い 1939年 ネタばれなし感想
キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー作 大作道子訳
評論社
2016年ニューベリー賞オナー賞受賞
面白さ ★★★★☆ 4点
メッセージ性 ★★★★☆ 4点
内容 一九三九年。二度目の世界大戦さなかのロンドン。足の悪いエイダは、けんめいに歩く練習をしていた。歩けさえすれば、弟といっしょに疎開できる!―自分らしく生きるために戦う少女と、彼女をあたたかく包む村の人たちをえがく。
感想 暖かい物語でした。虐待、戦争とつらい描写も多いですが、暖かい。
スーザンがいい人過ぎる気もしたけれど、これは癒しの物語でもあると考えれば、納得。
非常に閉鎖的に育てられ、虐げられてきたエイダですが、悩み、あがきながらも強くなっていく彼女を応援しながら読んでいました。
エイダがやたら、馬のバターに執着するなあ、と感じたけれど、足の不自由なエイダにとってバターは「自由」そのものなんですね。
心の中では、愛情と自由を求めていながら、自分にはそれを得る資格がないと思ったり、スーザンの世話を拒絶するエイダの心理はリアルを感じます。訳者あとがきにあるように、作者さん自身も虐待の経験があるからこそのリアルさなのでしょうね。このお話は続編があるようでこちらも気になりますね。
- 作者: キンバリー・ブルベイカーブラッドリー,Kimberly Brubaker Bradley,大作道子
- 出版社/メーカー: 評論社
- 発売日: 2017/08/10
- メディア: 単行本
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