クレージー・マギーの伝説 ネタばれなし感想
ジェリー スピネッリ作
１９９１年 ニューベリー賞受賞
面白さ ★★★★★ 満点
メッセージ性 ★★★★★ 満点
ヒーロー度 ★★★★★ 満点
内容 だれよりも速く、遠くまで走れる子。どんなひものもつれも、あっというまにほどいちゃう子。動物園の赤ちゃんバッファローにキスした子。そして、イーストエンドとウェストエンドを、へいきでいききするすげえやつ、クレージー・マギー。家も家庭もない十二歳の少年が、破れたスニーカーをパタパタさせてこの町にやってきたときから、ひとつの伝説がつくられはじめたそうだ。世界中で爽やかな感動を呼んだニューベリー賞受賞作。
マギーは目ざとくそれをみつけると、あっ、あの子も家出していると、すっかり勘違いしてしまったのだ。マギーは立ちどまって、声をかけた。
「こんにちは！」
アマンダはけげんな顔をした。この見たことのない白人の子はだあれ？黒人ばかりのイーストエンドで、いったい何をしているの？どうして声をかけるの？
本文より
感想 マギーのことは伝説として語られます。というのも読んでみたら確かにこの本はある意味、現代のファンタジーのようなものなのです。特別な資質を持った主人公マギーの存在も、子供が白人と黒人の街を自由に行き来することも現実的にはありえなくて、だからこそこのお話には夢があり面白いんです(*´∀｀*) 。
読みながら読者はこのなんとも風通しのいい流れ者にさわやかな自由さを感じるのではないでしょうか。
「白人は黒人たちの居住区に来たりしない。白人は黒人の噛み跡の付いたものなんて食べない」
こんな常識にマギーは囚われず、黒人の家族のうちに住み込んで家族のように暮らし始めるのですが・・・・。
本書はとても面白い本なので子どもが読んで素直に楽しめると思います(^O^)。けれど大人が読む場合、また違った楽しみ方が出来るんじゃないでしょうか。たとえば、会社勤めの変わらない日々に飽きている人、常識に囚われることに疲れている人、旅に出たい人。マギーの自由さと開放感に癒されてはどうでしょう！
なお本書はアメリカではドラマ化されています。
余談 作中に「クリンペッツ」（crumpets）というお菓子が登場します。マギーが大好きでよく食べたがるのですがおいしそうです (*´ρ`*)。もちもちとした触感のパンケーキらしいです。
レシピをば。
●直径7cm程度のもの約20枚分【材料】
オーガニックの強力粉 300g
ベーキングパウダー（アルミフリー） 5g
オーガニックの黒砂糖 10g
自然塩 5g
水 500cc
①材料をすべて混ぜ合わせて、ぶつぶつと発酵するのを待ってから、お玉くらいの大きさを大きめのフライパンにのせて焼き上げます。
②焼き上がったらできあがり。ハチミツやメープルシロップをかけてアツアツをいただきます。
●イーストを使う場合
(4人分)
薄力粉 170g
ドライイースト 大さじ1/2
砂糖 大さじ1/2
牛乳 300cc
バター 少々
バター・ジャム・ペースト
(1) 薄力粉・砂糖・イーストを混ぜ合わせて、冷たい牛乳500～600cc、
を加えて、ホイッパーで混ぜ、3時間おく。
※急ぐ時は、牛乳を温める。
(2) フライパンに、バターを塗って、直径7～8cmに焼く。
バター・ジャム・ペーストを添える。
バタースコッチというのも日本ではあまりなじみのない味で憧れますね。
作ってみました。イーストは大変そうだったのでベーキングパウダーのほうで作りました。生地の自転でかなり固くて分量間違えたかと不安になりました
。が、焼いてみたら意外と柔らか。
クリンペッツは、固めでちょっともちもちした触感のパンケーキという感じ。正直、おいしいかといわれると普通でした。でもバタースコッチソースはよく合う
。
バタースコッチソースがめちゃくちゃおいしくて、アイスにかけたりしていろいろな食べ方をしたくなります。マギーがはまっちゃうのもわかります
以下ちょっとネタバレ感想
反転 個人的には、マギーと、元ピッチャーのおじいさんとの交流エピソードが、暖かくてジーンとさせてくれたり（゜-Å) ホロリ、黒人の不良少年とマギーの後半の関係がなんか粋というか、男同士の関係の良さが出ていてよかったです(ﾟ∀ﾟ)。コブルズさんのもつれとか、夕食の口笛の一家とかの、小さいエピソードも面白かった。
読んでいただきありがとうございます！
