みんなワッフルにのせて ネタばれなし感想
ポリー・ホーヴァート
2002年ニューベリー賞オナー賞受賞
面白さ ★★★★★ 満点
メッセージ性 ★★★★☆ 4点
雰囲気の良さ ★★★★★ 満点
内容 港町に住む少女の両親が嵐の日に海で行方不明になり、町の人は死んだと決め込む。それを信じない少女が巻き起こす珍事件を、素敵におかしく描くニューベリー賞オナー賞受賞作。
「毎朝あたしは桟橋に出かけて、船がはいって来るのをながめた。そのうち、お父さんとお母さんがもどってくる。たぶん、クジラの背中にのって。」 本文より
感想 主人公、11歳の少女プリムローズは、飄々として、達観していて語り手のくせに何を考えているのかよくわからないんです('ε')。
それがこの本の雰囲気をシュールなような、淡々としているような、牧歌的なような、おしゃれなようなちょっと一言では説明しにくいつかみ所のない独特なものにしているんです。シニカルで、センスのいい世界観が妙に心地よくて何度読み返したかわからないくらいです。ふんいきで読ませる本ですかね。恋愛話や少女漫画的なわけでもないけれどどちらかといえば女性向けですかね。
各章の最後に出てくるレシピは、あまり日本でなじみのない料理もあったりして作ってみたくなりました。特にシェパードパイがおいしそう!
テーマや課題がはっきりしているわけではなく、どうやって終わるのかわからないままに話は進みます。登場人物も「そこらにいそうな変な人たち」だったりしておもしろいんです。
プリムローズのいやに俯瞰した口調で話を語られると、ちょくちょくクスリときてしまいます。
さわやかな読後感を残すクライマックスが好きです。
またこの作者は他に「ブルーベリーソースの季節」や「長すぎる夏休み」「サリーおばさんとの一週間」などの子供向けの本を出しています。こちらもどことなく本書に似た雰囲気を味わえるので気に入った方は試してみては。
ほかの方のレビューです。
- 作者: ポリーホーヴァス,高畠那生,Polly Horvath,北條文緒
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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