キルディー小屋のアライグマ ネタばれなし感想
ラザフォード・モンゴメリ作
1950年ニューベリー賞オナー賞受賞
学研/福音館書店
面白さ ★★★★★ 満点
メッセージ性 ★★★★☆ 4点
内容 動物好きの石工、ジェロームじいさんが、ひとり静かに暮らそうと隠居先にこしてきます。そこでおこる思いがけない出来事と、アライグマ、野生スカンクや子どもたちとの交流があたたかく描かれています。著者の自然や動物に対する深い愛が静かに伝わってくる作品です。
「九ひきのアライグマのキラキラひかる目がジェロームをじろじろ見つめ、九つのアライグマの顔がにこりとわらった」
本文より
感想 本書はとても面白い、いい本で、作者さんは動物がとても好きな方だとは思いますが、本書は、動物が人間のせいでひどい目に合うのが嫌いな方は読まないほうがいいかもしれません(´・ω・`)。
それほどショッキングでもなく、残酷でもないシーンなのですが、少年のちょっとしたおふざけで、動物が殺されるというのは胸糞が悪かったです。(一応、作中で多少溜飲が下がるような展開になってはいます)
また、動物好きな少女のほうも、少年の命令をきいただけの罪のない犬を、たんこぶができるほど痛めつけます(`ヘ´#)。
また、少女個人の感傷でもって、必死に生きてる、野生動物の狩りを邪魔してせっかく仕留めた獲物をあきらめざるを得なくします。これらはいただけなかったですね。
話自体は、テンポがよくて読みやすく、温かくて面白いお話です。動物だけじゃなく、主人公の、人付き合いが下手なおじいさんの人間的変化も、ヒューマンドラマとしてとてもよく出来ていると思います。動物たちが厚かましく、こずるく、可愛いだけの存在でない書き方は好感が持てました。おじいさんが困りものの同居人に振り回されていることを楽しんでいるのが素敵です。
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本書に登場するマダラスカンク
wikipedia掲載画像