九つの銅貨 ネタばれなし感想
ウォルター・デ・ラ・メア作
1947年カーネギー賞受賞
面白さ ★★★★☆ 4点
メッセージ性 ★★★★☆4点
夢いっぱい度 ★★★★★満点
内容 20世紀前半の英国を代表する詩人が著した『子どものための物語集』から5篇を選んだお話集。昔むかしのこと、くずれた石を集めて作った貧しい家に、おばあさんと女の子がくらしていました。女の子は朝から晩までせっせと働きました。ある日、小さなおじいさんがやってきて、1日1ペニーくれれば9日のあいだ家の仕事をやってやると言いました(「九つの銅貨」)。このほかに4つのおはなしが入っています。
感想 なんとも幻想的な、まさにフェアリーテールという感じの短編集です。しかし、私は妖精が出てくるお話は好きで、いろいろ読んだのですが、個人的にはこの本にはいまいちのれませんでした(´・ω・`)。
つかみどころがなくて、ふわふわして幻想的な話が好きな方は、はまるかと思います。風景描写なんかはすごくきれいで、その表現方法は好きなんですけどね。題名にもなっている「九つの銅貨」はそれなりに面白く読めましたが。
カーネギー賞やニューベリー賞の本に見られる、人間賛歌的な友愛とかヒューマニズムの部分があまり感じられず、作者さんの言いたいことがいまいちよく理解できませんでした。
- 作者: W.デ・ラ・メア,清水義博,Walter De la Mare,脇明子
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2005/01/20
- メディア: 単行本
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「九つの銅貨」に出てくる、黄色いハリエニシダ
ハマカンザシ
作中に出てくる炉格子って何だろうと思ったらこんなものらしいです。
「ウォリックシャーの眠り小僧」に出てくる『天路歴程』について wikiより↓
『天路歴程』(てんろれきてい)は、イギリスのジョン・バニヤン(バンヤン、バニャンとも)による寓意物語。プロテスタント世界で最も多く読まれた宗教書とされ、特にアメリカへ移住したピューリタンへ与えた影響は『若草物語』にも見える。
"City of Destruction"(「破滅の町」)に住んでいたChristian(クリスチャン、基督者)という男が、「虚栄の市」や破壊者アポルオンとの死闘など様々な困難な通り抜けて、「天の都」にたどり着くまでの旅の記録の体裁をとっている。
この旅はキリスト者が人生において経験する葛藤や苦難、そして理想的なキリスト者の姿へと近づいていくその過程を寓意したものであり、登場人物や場所の名前、性質などは、それらのキリスト教的な人生観・世界観に基づくものになっている。
「天路歴程」に出てくる巨人ディスピア
出典:https://i.pinimg.com/originals/99/a2/47/99a247b995204d9090bb1c0a298abc21.png
素敵な感想があったので載せておきますね