児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

メープルヒルの奇跡  ネタばれなし感想

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面白さ ★★★★★満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

メッセージ性 ★★★★★満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

心が洗われる度 ★★★★★満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

ヴァージニア・ソレンセン著 

ほるぷ出版

ジャンル ヒューマンドラマ 家族もの 

1957年ニューベリー賞受賞f:id:g-mccaghrean:20190225013007j:plain

 

内容 戦争で心に傷をおった父親をはげますため、10歳の女の子マーリーとその一家は美しい自然にかこまれたメープルヒルにやってきた。そこで家族が出会ったものは…。感動のニューベリー賞受賞作。

 

「子供のころ、おばあちゃんの家ですごして確信したことがあるの。メープルヒルはあらゆる奇跡が起こる場所なんだ、って」―本文より

感想 大好きな本です。登場人物にいやな人や悪人がいないという、優しい雰囲気の物語(*^^*)。

 

主人公のマーリーも家に住み着いたネズミを殺さないでと泣く、心優しい女の子で、こういうことに悲しめる子ども特有の気持ちの描写が物語を繊細にしています。田舎暮らしをすることで命について考えさせられる、なんていうといかにも陳腐ですが、そんなありふれた主題を、本書は滑らかな文体で引き込んで読ませます。詩的な文章で表現される世界観もとても美しいんです。メープルシロップがすごく食べたくなる本 (*´ρ`*) ゴクリ。

 

メープルヒルの奇跡

メープルヒルの奇跡

 

 

ちなみに作中にベンジャミン・フランクリンがネズミの助けでストーブを作ったという伝説が出てくるけれど、これを物語にした本「ベンとぼく―天才ネズミ大かつやく」も結構面白い本ですよ

 

ベンとぼく―天才ネズミ大かつやく (Best choice)

ベンとぼく―天才ネズミ大かつやく (Best choice)

 

 

 

作中に出てきたブラッドルートの花。可愛いですね。

 

f:id:g-mccaghrean:20181211114930j:plainwikipedia掲載画像 作者 UpstateNYer

「説教壇の中のジャック」こと、テンナンショウ。

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説教壇というのはキリスト教聖堂に設けられた説教者用の壇のことですね。こちら

 

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たしかにテンナンショウは細長くて似ていますね

 

ウィンターグリーンベリー

f:id:g-mccaghrean:20181211115214j:plain wikipedia掲載画像          作者 Mike Serfas

作中の言葉によると、これとブルーベリーの組み合わせがせかいで一番おいしいとか。食べてみたい…。