児童書のレビュー・考察ブログ

主に海外の小学生・中学生向け児童書の感想、考察をしています。

ビリー・ジョーの大地 ネタばれなし感想

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カレン ヘス 

理論社

1998年ニューベリー賞受賞f:id:g-mccaghrean:20190225013007j:plain

面白さ ★★★★★満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

メッセージ性 ★★★★★満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

文体が美しい★★★★★満点f:id:g-mccaghrean:20181205022501j:plain

 ジャンル 家族もの ヒューマンドラマ

内容 1934年アメリカ・オクラホマ。14歳の少女ビリー・ジョーは、無口な農夫の父と厳格な母と、それなりにしあわせに生活していた。しかし、悲劇が…。ビリー・ジョーが語る自由詩で構成された小説。

感想 あらすじにもあるように、この本は全体的に詩のような調子で書かれています。淡々とした文体の中は、心の揺れ動きを抑え気味にしてかかれているけれど、ビリー・ジョーの深い感情を確かに伝えてきます。

 

滑らかな語り口は、読んでいるうちに書かれている情景を思い浮かべられるほど巧みで、自然と物語の世界に引き込まれていきます。基本私は女子向けヤングアダルトは苦手なのですが、本書は夢や家族といった親しみやすいテーマも扱っているせいもあって、すごくおもしろかったです。

ビリー・ジョーの大地

ビリー・ジョーの大地

 

 

 「The Horn Book Magazine」の書評がとてもよかったので、載せておきますね。

 

「ー作者がこの独特の文体を選んだのは成功だった。物語のあちこちに、印象的なイメージがちりばめられている。無駄のないその文章は、我々が普段使っている言葉による市のお手本のようだ。行間からは、ビリー・ジョーの声が聞こえ、その焦がれるような願いが一語一語から伝わってくるようだ。それはあまりにも過酷な過去の一時代と、その時代を生きたある家族が再生する様を豊かに描き出し、直に伝えてくれる―」

とあります。私もそう思います❗

 

そして、作中に出てくる食べ物の数々がいかにもアメリカンでおいしそうで、気になります(´ρ`)

 こちらはアップルダンプリング。芯を繰り抜き、バターとレーズンを中に仕込んだリンゴ丸ごと一個を、柔らかめのパイ生地でくるんで焼いたものらしいです。

f:id:g-mccaghrean:20190302034226j:plain出典:The BakerMama
https://thebakermama.com/recipes/great-aunt-inas-apple-dumplings/

アップル・パンドゥディも出てきましたね。浅い器に似たリンゴを敷き、上にパイ生地をかぶせてリンゴの煮汁をかけて焼いたもののようです。

apple pandowdy

www.tasteofhome.com

 

 アップルコブラ―日本のレシピでは、よくパイシートで作られていますが、本場のものはさくほろのクッキーっぽい生地みたいですね。

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出典:Gretchen's Bakery
https://www.gretchensbakery.com/caramel-apple-cobbler/

機会があれば作ってここに載せますね。

 

七面鳥の栗詰めも美味しそう

…。食べたーい(*´ρ`*) ゴクン

 

 ほかの方のレビューがたくさんありました。ネタバレ注意です。

www.yamaneko.org

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