はいけい女王様、弟を助けてください ネタばれなし感想
モーリス グライツマン作
面白さ ★★★★☆ 4点
感動度 ★★★★★ 満点
メッセージ性 ★★★★★ 満点
内容 弟の病気は治らない…みんなそういうけど、そんなのうそだ! ぼくが世界一の名医をつれてきてきっと治してみせるから! イギリスのおじさんの家に行ったコリンは、女王様から世界一の名医を紹介してもらおうとするが、思うようにはいかなくて…。むずかしいテーマをユーモアと笑いでくるみつつ、感動的に描いたオーストラリアの児童文学。
―コリンは自分が世界一の名医といっしょに、専用の小型ジェットに乗って帰ってくるところが目に見えるようだった。そこからヘリコプターで病院まで飛び、世界一の名医がさっそく手術してルークを治してくれて、ママとパパはそのあとずっとぼくに感謝しつづけるのだ。ひょっとしたら、庭先に小さな銅像なんかを建ててくれたりして。- 本文より
感想 12歳の少年がガンになった弟を助けるために奮闘する物語。これだけ聞くと泣ける悲しい話と思ってしまいそうだけどこの本は一味違います。
主人公コリンが12歳にもかかわらずかなり子どもっぽく、世間知らずで思い込みが激しく、弟を助けようとする行動も全くズレていて、それがユーモラスでおかしいんです(ノ∀゚*)アチャー。12歳にもなって「みんな病気の弟を必死に助けてくれるはず!」なんてなるのかなあ、とは思うし、たまにコリンの世間知らずさや思い込みにイライラすることもありましたが・・。考えてみれば、この作者さんの「フェリックスとゼルダ」の主人公もちょっとそんな感じでした。
弟を助けるため、子どもならではのまっすぐさでコリンは駆けずり回ります。その行動力には呆れつつもちょっと感心してしまいます。なかなかここまでできないですよね。あきらめずに行動することの大事さもテーマかもしれません。コリン君がいろいろやらかしてくれるので、次から次に何かしら起きて飽きずに読めますよ。
物語は最後までしめっぽい感動を押し付けることなく、最後はすがすがしいともいえるような読後感でした (´▽`) 。
- 作者: モーリスグライツマン,横山ふさ子,Morris Gleitzman,唐沢則幸
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1998/03
- メディア: 単行本
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この作者さんは「フェリックスとゼルダ」という、第二次単線中のポーランドでの、子供二人の逃走劇のお話を書いています。シリーズで3作出ていて、(日本では2作)これは本書に比べると、かなり重くてつらい物語ですが、かなりの名作だと思います。